環境資源学専攻 海洋生態学研究室 堤 裕昭 教授
今から約40年前、熊本の有明海や八代海に面した砂の干潟では、アサリ漁に湧いていました。全国で水揚げされるアサリの約4割にあたる5万トンを超えるアサリが毎年獲られていました。今、そのアサリは1年でわずか1000トンくらいしか獲れません。なぜ、アサリは砂の干潟からほとんど姿を消してしまったのでしょうか? 砂の干潟の生態系に起きた異変の謎解きを始めて、すでに20年の歳月を経ました。この研究を通してわかってきたことも、まだまだわからないこともあります。また、ただ謎解きの研究を進めるだけではなく、アサリの稚貝を大量に人工培養する技術も開発してきました(写真)。アサリの稚貝を砂の干潟に撒いて、もとのようにアサリに満ちた干潟に戻す試みを始めています。